「ミリタリーウォッチには興味があるけれど、本格的なものは高価で手が出しにくい」「ガシガシ使い倒せる、丈夫で手頃な時計が欲しい」そんな風に考えている方にこそ、ぜひ知っていただきたい時計があります。
それが、スミス&ウェッソン「TROOPER SWW-397」です。
世界的な銃器メーカーの名を冠しながらも、驚くほどのコストパフォーマンスを実現しているこのモデルは、初めてのミリタリーウォッチとしても、ベテランのサブ機としても最適です。高級な機械式時計とは一味違う、シンプルな時計ならではの温かみと、気兼ねなく扱えるタフネスさがあります。
大きなアラビア数字のインデックス、雨や汗を弾くラバーベルト、そして誤操作を防ぐリューズガード。ムーブメントは高品質な日本製クォーツ搭載で信頼性も高いモデルです。
日常使いの相棒として使える手頃な時計を徹底レビューします。
「スミス&ウェッソン TROOPER WATCH SWW-397」の概要
スミス&ウェッソン社の「TROOPER(トゥルーパー)」シリーズは、「州警察官」という意味でその名の通り、兵士や警官などの現場隊員が使用することを想定してデザインされたミリタリーウォッチです。
SWW-397は、同社ラインナップの中でも特に視認性と軽量性に特化したモデルとして知られています。最大の特徴は、堅牢なリューズガードを持つ独特なケース形状です。動力には信頼性の高い日本製クォーツムーブメントを採用しており、メンテナンスの容易さも魅力の一つです。コストを抑えつつ、フィールドウォッチとしての基本性能を高いレベルでまとめています。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 日常生活強化レベル |
| 防水性 | 5気圧防水(50m防水) |
| 耐磁性 | 不明 |
| 視認性 | 蓄光塗料による夜間視認性あり |
| 操作性 | リューズガード付き・操作はシンプル |
| ムーブメント | 日本製クォーツ |
| 動力の持ち時間 | 電池寿命は使用環境による(一般的なクォーツで約2〜3年目安) |
| 素材(ケース・裏蓋・風防) | ケース:ステンレス・合金/裏蓋:ステンレス/風防:ミネラルガラス |
| ケース径 | 約47mm(リューズ含む実測値等の情報に基づく) |
| ケース厚 | 約13mm |
| 重量 | 約89g |
| ベルトの種類 | ラバーベルト |
- 銃器メーカー「スミス&ウェッソン」ブランドの時計
- 1万円以下で入手可能な高コスパなミリタリーウォッチ
「スミス&ウェッソン TROOPER WATCH SWW-397」の腕時計を採用する政府機関や部隊
スミス&ウェッソン社の銃器は、創業以来、米国中の警察機関や軍隊で制式採用されてきました。時計に関しても、具体的な「SWW-397が〇〇部隊の制式装備である」という公式記録は公表されていませんが、S&Wのウォッチライン(LawmanシリーズやSoldierシリーズなど)は、米国の警察官(ポリスオフィサー)やSWAT隊員、民間軍事会社(PMC)のオペレーターなどが、個人装備として購入し使用している例が多く見られます。
彼らにとってS&Wは信頼の証であり、自身の持つ銃とブランドを合わせることは、士気を高める一つの儀式のような側面もあります。特に安価で頑丈なモデルは、破損を恐れずに任務に投入できるため、PX(基地内売店)などで購入され、実戦や訓練で使用されています。
生産国とその歴史的背景
スミス&ウェッソン社は、1852年にホーレス・スミスとダニエル・ベアード・ウェッソンによって設立された、アメリカ合衆国マサチューセッツ州スプリングフィールドに拠点を置く銃器メーカーです。
南北戦争や西部開拓時代を経て、現代に至るまで米国の歴史と共に歩んできました。時計製造に関しては、多くのミリタリーブランドと同様に、専門の時計製造会社(Campco社など)とライセンス契約を結んで生産しています。
そのため、SWW-397などのモデルは、アメリカのブランド精神を宿しながらも、心臓部には信頼性の高い日本製ムーブメントを使用し、組み立てはコスト競争力のあるアジア地域で行われることが一般的です。これにより、S&Wのブランドを冠しながらも、多くの人が手に取りやすい価格設定を実現しています。
「スミス&ウェッソン TROOPER WATCH SWW-397」の特徴と機能
このモデルには、文字盤や配色の違いによりいくつかのバリエーションが存在します。基本となる構成は共通していますが、好みに合わせて選ぶことができます。
- SWW-397-BK(ブラック文字盤・ホワイトインデックスの最もスタンダードなモデル)
- SWW-397-BL(ブラック文字盤・青色のアクセントが入った)
- SWW-397-OR(ブラック文字盤・オレンジのアクセントが入りベルトもオレンジのモデル)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 日常生活強化レベル |
| 防水性 | 5気圧防水(50m防水) |
| 耐磁性 | 不明 |
| 視認性 | 蓄光塗料による夜間視認性あり |
| 操作性 | リューズガード付き・操作はシンプル |
| ムーブメント | 日本製クォーツ |
| 動力の持ち時間 | 電池寿命は使用環境による(一般的なクォーツで約2〜3年目安) |
| 素材(ケース・裏蓋・風防) | ケース:ステンレス・合金/裏蓋:ステンレス/風防:ミネラルガラス |
| ケース径 | 約47mm(リューズ含む実測値等の情報に基づく) |
| ケース厚 | 約13mm |
| 重量 | 約89g |
| ベルトの種類 | ラバーベルト |
「スミス&ウェッソン TROOPER SWW-397」は、過酷なフィールドでの使用を前提とした設計がなされています。47mm径という存在感のあるケースサイズは、グローブを着用したままでの視認性を確保するためであり、同時に外部からの衝撃を分散させる役割も担っています。
機能面では、シンプルさを極めており、時刻表示と日付表示(デイト)、そして24時間表記という必要最低限の情報のみを提供します。これにより、複雑な操作を覚える必要がなく、緊急時でも直感的に時間を把握することが可能です。
直感的な視認性を生むダイヤルデザイン
SWW-397の最大の特徴は、その極めて見やすい文字盤にあります。デザイン的な装飾を排したフォントは、一目で時刻を読み取ることに特化しています。また、文字盤の内側には小さく13から24までの数字も記載されており、軍隊や警察などで多用される24時間制(ミリタリータイム)の確認も容易です。
秒針には赤などのアクセントカラーが用いられることが多く、時計が動いているかどうかの確認も瞬時に行えます。トリチウムのような自発光システムではありませんが、インデックスと針に塗布された蓄光塗料は、光を蓄えた直後の暗所において十分な輝度を発揮し、夜間の行動をサポートします。
誤操作と破損を防ぐリューズガード形状
ミリタリーウォッチにおいて、最も破損しやすいパーツの一つが、時刻調整を行う「リューズ(竜頭)」です。ぶつけたり、装備品に引っ掛けたりすることで、リューズが曲がったり、最悪の場合は折れて防水性が失われたりします。
SWW-397のケースデザインは、このリューズを物理的に守るために、ケース側面が盛り上がった「リューズガード」形状を採用しています。滑らかな曲線を描くガードは、手首を大きく曲げた際にリューズが手の甲に食い込むのを防ぐ効果もあります。このデザインは、S&Wのリボルバーのバレル周りのような力強さを感じさせ、機能性だけでなく、外観上の無骨なアクセントとしても機能しています。
悪天候に対応するラバーベルトと防水性能
フィールドウォッチには、汗、雨、泥といった汚れがつきものです。革ベルトや金属ベルトではメンテナンスが大変な場面でも、SWW-397に採用されているウレタンラバーベルトであれば、気にする必要はありません。
水に濡れても染み込まず、汚れたら水で丸洗いできる素材は、アウトドアやスポーツシーンに最適です。また、ベルトのデザイン自体にも通気性を考慮した溝や穴が設けられていることが多く、長時間着用しても蒸れにくい工夫がなされています。
時計本体も5気圧防水(50m防水)を備えているため、水仕事や雨天時の行動には十分耐えられます。ただし、潜水用ではないため、水圧のかかるシーンでの使用は避けるべきですが、日常的なタフな使用には十分なスペックと言えます。
「スミス&ウェッソン TROOPER WATCH SWW-397」と他モデルの腕時計との比較
同一ブランドの他モデルとの比較
スミス&ウェッソンの時計ラインナップの中で、SWW-397と比較検討されることが多いのが「Lawman(ローマン)」や「Soldier(ソルジャー)」シリーズです。これらの上位モデルとの決定的な違いは、「トリチウム発光システム」の有無です。Lawmanなどは、スイスのMB-MICROTEC社製トリチウム・バイアルを搭載しており、全く光のない暗闇でも10年以上にわたり自ら発光し続けます。対して、SWW-397は通常の蓄光塗料を使用しています。
一見するとトリチウム搭載機の方が優れているように見えますが、SWW-397には「コストパフォーマンス」と「メンテナンスの気楽さ」という利点があります。
トリチウムモデルは価格が高くなりがちですが、SWW-397はその半値以下で購入できることも多く、初めてのS&Wウォッチとして手を出しやすい価格帯です。
また、デザイン面でも違いがあります。トリチウムモデルは発光カプセルを配置する都合上、インデックスのデザインに制約が出ますが、SWW-397はプリント(または植字)であるため、数字をより大きく、太く配置することが可能です。結果として、明るい場所での瞬間的な視認性は、SWW-397の方が優れていると感じるユーザーも少なくありません。
他社の類似モデルとの比較
価格帯や機能面で競合するのは、TIMEX(タイメックス)の「Expedition」シリーズや、CASIO(カシオ)のアナログモデル(いわゆるチープカシオの上位機種やスタンダードシリーズ)です。
TIMEXのExpeditionは「インディグロナイトライト」という文字盤全体が光る機能を持ち、夜間の視認性では非常に強力なライバルです。また、CASIOは世界に誇る耐久性と精度の高さがあり、実用時計としての信頼感は絶大です。
しかし、SWW-397を選ぶ最大の理由は、「Smith & Wesson」というブランドが持つ世界観にあります。
TIMEXやCASIOは素晴らしい時計メーカーですが、銃器メーカーではありません。サバイバルゲームの装備や、タクティカルなファッションに合わせる際、ホルスターに入っているハンドガンと同じブランドロゴが時計にも刻まれているという「統一感」は、スペック上の数値を越えた満足感を与えてくれます。
また、デザインの方向性も異なります。TIMEXがアウトドア・カジュアル寄りであるのに対し、SWW-397はより「コンバット(戦闘)」寄りな、黒を基調とした重厚なデザインを採用しています。この「兵器のような佇まい」こそが、他社製品にはないSWW-397独自の強みと言えるでしょう。
「スミス&ウェッソン TROOPER WATCH SWW-397」の実用性
オススメの利用シーン
SWW-397が最も輝くのは、やはりアウトドアやアクティブな趣味のフィールドです。
具体的には、サバイバルゲームでの使用が筆頭に挙げられます。プレイ中の激しい動きや、障害物への接触を気にせず使える頑丈さと、ゲーム開始時間や制限時間を一瞬で確認できる視認性は、プレイヤーにとって大きな武器になります。また、ラバーベルト仕様であるため、夏場のキャンプや釣り、バーベキューなど、水や汚れが予想されるレジャーシーンにも最適です。
さらに、DIYやガレージでの作業用ウォッチとしても優秀です。工具を扱う際に時計をぶつけてしまうことはよくありますが、高級時計では躊躇してしまうような場面でも、この時計なら安心して着用し続けられます。
また、夜間のウォーキングや犬の散歩など、日常のちょっとした場面でも、蓄光機能と見やすい文字盤が役に立ちます。「汚れても洗えばいい」「傷ついてもそれが味になる」というメンタリティで使えるため、道具として使い倒したいシーン全般で推奨できます。
ビジネスシーンに利用できるか
結論から申し上げますと、厳格なドレスコードが求められるビジネスシーンには不向きです。
ケース径が47mmと非常に大きく、厚みもあるため、スーツのシャツの袖口に収まりきらない可能性が高いです。また、ラバーベルトや樹脂感のあるリューズガード、ミリタリーテイストの強い文字盤デザインは、フォーマルな場ではカジュアルすぎて浮いてしまうでしょう。
しかし、服装の規定が緩やかな職場や、クリエイティブな職種、あるいは「現場仕事」を含むビジネスマンであれば、選択肢に入る余地はあります。特に、作業着やユニフォームを着用する業種であれば、その堅牢さは実務上のメリットとなり、違和感なく溶け込みます。
もしオフィスカジュアルに取り入れるなら、黒文字盤のモデルを選び、夏場のアクティブなスタイルに合わせるなど、コーディネートに工夫が必要です。基本的には「オフの日専用」あるいは「現場専用」と割り切って使うのが、この時計の魅力を最も引き出せる使い方と言えます。
長く利用するためのコツやメンテナンス方法
SWW-397はタフな時計ですが、長く愛用するためには最低限のメンテナンスが必要です。最も重要なのは、使用後のケアです。
特に汗や海水が付着したまま放置すると、ステンレス部分(裏蓋や尾錠)の腐食や、ラバーベルトの劣化(加水分解や硬化)を早める原因になります。使用後は、真水で軽く洗い流し、柔らかい布で水分をしっかり拭き取ってから、直射日光の当たらない風通しの良い場所で乾燥させてください。
電池交換に関しては、裏蓋がスクリューバックやこじ開け式(モデルにより異なるが、一般的に防水時計は専用工具が必要)であるため、防水性能を維持したい場合は、時計店に依頼することを強くお勧めします。自分で交換することも可能ですが、パッキンの劣化やズレにより、5気圧防水が失われるリスクがあります。
また、風防はミネラルガラスであり、サファイアガラスほどの硬度はないため、コンクリートや岩などに強く擦ると傷がつきます。深い傷は視認性を下げるため、激しい作業時はリストバンドで覆うなどの工夫も有効です。
オススメの購入方法と安く購入する方法
スミス&ウェッソンの時計は、日本国内に正規代理店が存在しますが、Amazonや楽天市場などのECサイトを通じて並行輸入品も多く流通しています。安く購入するためのポイントは、これらのECサイトでの価格比較を行うことです。特に並行輸入品は、為替の影響や在庫状況によって価格が変動しやすく、タイミングによっては定価よりも大幅に安く手に入れられることがあります。
ただし、並行輸入品を購入する場合は、保証内容をよく確認する必要があります。正規代理店の保証が受けられない場合が多く、初期不良時の対応が販売店独自のものになるからです。「とにかく安く手に入れたい」場合は並行輸入品を、「アフターサービスを含めた安心を買いたい」場合は正規販売店や信頼できるミリタリーショップを選ぶのが賢明です。
また、中古市場(メルカリやヤフオク)でも流通していますが、ラバーベルトの劣化具合やガラスの傷、電池残量が不明なことが多いため、長く使いたいのであれば、新品での購入を強く推奨します。
まとめ|「スミス&ウェッソン TROOPER WATCH SWW-397」徹底レビュー
今回は、スミス&ウェッソン「TROOPER SWW-397」について、その特徴や魅力をレビューしました。
この時計は、高級な素材や最新の電子機能を搭載しているわけではありません。しかし、銃器メーカーとしてのアイデンティティを感じさせる無骨なデザイン、現場で本当に必要な視認性、そして気兼ねなく使えるコストパフォーマンスは、他の時計にはない独自の価値を持っています。
ミリタリーファンにとっての「実用的なギア」として、これほど頼りになる相棒は少ないでしょう。
- メリット
-
S&Wブランドの魅力を手軽に味わえ、視認性とタフネスさに優れた高コスパなフィールドウォッチ。
- ・銃器メーカーS&Wのロゴが入った、所有欲を満たすデザイン
- ・大型のアラビア数字による圧倒的な視認性の良さ
- ・ラバーベルトと5気圧防水による、水や汚れに強い実用性
- ・ガシガシ使い倒せる手頃な価格設定
- ・シンプルで操作に迷わないクォーツムーブメント
- デメリット
-
ビジネスなどのフォーマルな場には不向き。
- ケースサイズが大きく厚みがあるため、手首が細い人やスーツには合わない
- 蓄光塗料のため、長時間の暗闇では視認性が低下する
- 風防がミネラルガラスのため、サファイアガラスに比べて傷がつきやすい
- 高級感という点では、価格相応の樹脂やゴムの質感が目立つ場合がある

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