「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」:幻の米軍パイロットウォッチの復刻モデルを徹底レビュー

ミリタリーウォッチの世界には、制式採用され歴史に名を刻んだモデルだけでなく、テスト運用のみで終わった「幻のモデル」が存在します。
今回ご紹介する「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」は、まさにそんなロマン溢れる背景を持つ一本です。
第二次世界大戦中、アメリカ陸軍航空隊に採用されたパイロットウォッチの名作「A-11」の後継機として開発されながら、ごく少数しか製造されなかったパイロットウォッチです。
その特徴的な「経過時間」計測機能と独特のダブルリューズデザイン。日本のブランドM.R.M.W.が復刻したモデルを、ミリタリーの観点から歴史背景と機能性について徹底レビューします。
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」の概要
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」は、日本の時計企画会社モントルロロイが展開するヴィンテージミリタリーウォッチブランド「M.R.M.W.」の復刻モデルです。
そのルーツは、第二次世界大戦末期の1944年頃、米陸軍航空軍(USAAF)がTYPE A-11の後継としてテストした、幻のパイロットウォッチ「TYPE A-15」にあります。オリジナルはブローバ社によって約500個のみが製造され、テスト運用されたと言われています。
M.R.M.W.の本モデルは、上下の二つのリューズで操作する「回転式リムアキュムレーター(経過時間計測ダイヤル)」という最大の特徴を忠実に再現。一方で、ムーブメントには信頼性の高い日本製のクォーツを採用し、日常使いの利便性を高めているのが特徴です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 中(316Lステンレススチールケース) |
| 防水性 | 5気圧防水(日常生活防水) |
| 耐磁性 | 不明 |
| 視認性 | 高(蓄光インデックス・針) |
| 操作性 | 特徴的(上下2つのリューズで回転盤を操作) |
| ムーブメント | 日本製クォーツムーブメント |
| 動力の持ち時間 | 不明(クォーツのため電池寿命による) |
| 素材(ケース・裏蓋) | ステンレススチール |
| 素材(風防) | ドーム型ミネラルガラス |
| ケース径 | 約33mm |
| ケース厚 | 約11.5mm – 12.5mm |
| 重量 | 約51g |
| ベルトの種類 | 布製オリーブカラーストラップ (16mm) |
- アメリカ陸軍航空隊の「TYPE A-15」パイロットウォッチの復刻版
- 経過時間計測ダイヤルを搭載
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」の腕時計を採用する政府機関や部隊
「M.R.M.W. TYPE A-15」は、歴史的なモデルの「復刻品」であるため、M.R.M.W.製のこの時計自体が現代の軍や政府機関に制式採用されているわけではありません。
しかし、その原型となった「TYPE A-15」は、1944年から1945年にかけて、米陸軍航空軍(USAAF)によってテスト運用されました。A-11の問題点(夜光の欠如、経過時間計測機能の不在)を解決する新型パイロットウォッチとして、ブローバ社が約500個を製造。
実戦環境下での評価が行われたとされています。結果として量産には至りませんでしたが、軍の要求仕様に基づきテストされた、正真正銘の軍用時計の系譜に連なるモデルです。
実戦で使用されたエピソード
上記の通り、オリジナルの「TYPE A-15」はテスト運用が主であったため、A-11のように「戦争を勝利に導いた」といった華々しいエピソードは多く残されていません。
しかし、その開発経緯自体が、第二次世界大戦末期の航空戦の実態を物語っています。夜間飛行や悪天候下での出撃が増加し、パイロットは暗闇でも視認できる夜光塗料と、ミッションの経過時間を瞬時に把握できる機能を切実に必要としていました。
A-15に搭載された回転式リムアキュムレーターは、まさにその「経過時間」を管理するための機能です。テストに参加したパイロットたちが、この新しい計器をどのように評価し、実際の飛行で使用したのか、想像を巡らせるのもミリタリーウォッチの醍醐味の一つです。
生産国とその歴史的背景
「M.R.M.W. TYPE A-15」は、日本の株式会社モントルロロイによって企画・デザインされています。M.R.M.W. (Montre Roroi Military Watch) は、1893年(明治26年)創立の「村松時計製作所」をルーツに持つ、日本の時計業界で長い歴史を持つ会社が展開するブランドです。
このモデルは、アメリカの軍事遺産(ミリタリーヘリテージ)である「TYPE A-15」を、日本の企画力と品質管理のもとで忠実に復刻するというプロジェクトから生まれました。
公式サイトによれば、パーツ制作は中国で行い、組み立ては日本国内で行われているとされています。歴史的な名作を、現代の技術と日本の品質基準で蘇らせた一本です。
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」の特徴と機能
M.R.M.W.は、歴史的なミリタリーウォッチの復刻を手掛けており、他のTYPE Aシリーズモデルの復刻も多くあります。
- TYPE A-11 Black 12H(米陸軍航空隊パイロットウォッチ)
- TYPE A-11 24H(24時間時計、ブラック文字盤)
- TYPE A-15 Elaspsed Time watch(WW2米軍試作モデル復刻、本記事対象)
- TYPE A-17a Night & Day (24時間時計)
- TYPE A-17 Vintage watch(米陸軍航空隊パイロットウォッチ
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 中(316Lステンレススチールケース) |
| 防水性 | 5気圧防水(日常生活防水) |
| 耐磁性 | 不明 |
| 視認性 | 高(蓄光インデックス・針) |
| 操作性 | 特徴的(上下2つのリューズで回転盤を操作) |
| ムーブメント | 日本製クォーツムーブメント |
| 動力の持ち時間 | 不明(クォーツのため電池寿命による) |
| 素材(ケース・裏蓋) | ステンレススチール |
| 素材(風防) | ドーム型ミネラルガラス |
| ケース径 | 約33mm |
| ケース厚 | 約11.5mm – 12.5mm |
| 重量 | 約51g |
| ベルトの種類 | 布製オリーブカラーストラップ (16mm) |
「M.R.M.W. TYPE A-15」は、A-11のようなシンプルな3針時計とは一線を画す、複雑な機能を持ったパイロットウォッチです。
最大の特徴は、上下のリューズで操作する二重の回転盤(リムアキュムレーター)です。これにより、飛行ミッションの経過時間や第二時間帯(GMT)をアナログ的に表示できます。オリジナルデザインを忠実に再現した33mmの小ぶりなケース、ドーム型風防、そして現代的なクォーツムーブメントが特徴です。
- 幻の軍用規格「TYPE A-15」の忠実な復刻
- 上下のリューズで操作する「回転式リムアキュムレーター」搭載
- 飛行経過時間や第二時間帯の表示が可能
- 日本製クォーツムーブメントによる高い実用性
- 33mmの小ぶりなケースサイズとドーム型風防
最大の特徴「回転式リムアキュムレーター」
この時計のアイデンティティは、文字盤の周囲に配置された2つの回転盤(リムアキュムレーター)と、それを操作するための上下のリューズ(2時位置と4時位置)にあります。
2時位置のリューズは、外側の「分」を示す回転盤(0-60)を操作します。4時位置のリューズは、内側の「時」を示す回転盤(1-12)を操作します。
例えば、ミッション開始時刻(例:10時08分)に、外側の▼(トライアングルマーカー)を現在の分(8分)に、内側の▼を現在の時(10時)に合わせます。こうすることで、時計の針が進むにつれて、回転盤の目盛りから「ミッション開始から何時間何分が経過したか」を直感的に読み取ることが可能になります。この複雑な機構こそ、A-15が単なる時計ではなく「計器」と呼ばれる所以です。
忠実に再現されたヴィンテージデザイン
M.R.M.W.のA-15は、オリジナルの持つ雰囲気を徹底的に再現しています。ケース径は約33mmと非常に小ぶりです。これは当時の軍用時計の標準的なサイズであり、グローブやフライトジャケットの袖口に干渉しないための実用的な選択でした。
風防は、当時のプラスチック風防の質感を再現したドーム型のミネラルガラスを採用。光が屈折する独特のノスタルジックな表情を見せてくれます。
さらに、針も妥協せず、現存するオリジナルのA-15の複数のパターンから最適なものを選択し、新たに型から製作したといいます。文字盤のフォントや蓄光の色合いにも、ヴィンテージ加工を意識したこだわりが感じられます。
日本製クォーツムーブメントの採用
オリジナルのA-15は機械式(手巻き)でしたが、M.R.M.W.の復刻モデルは日本製のクォーツムーブメントを採用しています。
これは、時計好きの間で意見が分かれる点かもしれませんが、オリジナルのような複雑な回転機構を持つ機械式時計を復刻した場合、価格が非常に高額になるか、メンテナンス性が著しく低下する可能性があるため、コストと実用性・耐久性を考えると妥当な選択と思います。
クォーツを採用することで、価格を抑えつつ、日常使いでの精度と耐久性(衝撃への強さ)、メンテナンスフリーという実用性を確保しています。A-15の最大の特徴である「外観」と「回転機構の操作感」を忠実に楽しみつつ、中身は現代の道具として安心して使える。これは復刻モデルの一つの理想形と言えるでしょう。
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」と他モデルの腕時計との比較
同一ブランド(M.R.M.W.)の他モデルとの比較
M.R.M.W.ブランド内で、このA-15は極めてユニークな立ち位置にあります。
最も比較対象となるのは、当ブログでも紹介した「TYPE A-11」の復刻モデルでしょう。A-11は「シンプル・イズ・ベスト」を体現した、3針の自動巻き(またはクォーツ)モデルです。軍用時計の基本形であり、その視認性の高さと完成されたデザインは、まさに王道です。

一方、「TYPE A-15」は、そのA-11の「次」を目指したモデルです。経過時間計測という、より専門的で複雑な機能を求め、二重の回転ベゼル(アキュムレーター)とダブルリューズという特殊な構造を採用しました。
どちらを選ぶかは、ミリタリーウォッチに何を求めるかによります。
A-11は、ミリタリーウォッチの「原点」であり、服装を選ばない万能なデザインと堅牢性を求める方に向いています。
A-15は、よりマニアックな「計器」としての側面、パイロットウォッチの特殊な進化の歴史、そして他人とは違う個性的なデザインを求める方(特に航空ミリタリーファン)に強く推奨できるモデルです。A-11が「歩兵のライフル」なら、A-15は「パイロットの航法計算盤」と言ったところでしょうか。ムーブメントも、A-11(自動巻きモデル)が機械式のロマンを提供するのに対し、A-15はクォーツの実用性を提供します。
他社の類似モデルとの比較
「A-15」という幻のモデルを復刻しているブランドは、非常に限られています。
「BULOVA(ブローバ) A-15」
その中で最も強力な比較対象となるのは、オリジナルのA-15を開発した「BULOVA(ブローバ)」自身が近年リリースした復刻モデル「A-15」です。ブローバの復刻版は、オリジナルの開発メーカー直系という、何物にも代えがたい「正当性」を持っています。
ムーブメントには自動巻きを採用し、ケースサイズも現代的にアレンジされている(M.R.M.W.より大きい)ことが多いです。その分、価格帯もM.R.M.W.のモデルより数段上になります。
M.R.M.W.のA-15は、ブローバの復刻版と比較した場合、以下の点で差別化されます。
第一に、価格です。クォーツムーブメントの採用により、ブローバの自動巻きモデルよりも格段に手頃な価格で、A-15のユニークなデザインと機能(回転盤の操作)を楽しむことができます。
第二に、サイズ感です。M.R.M.W.はオリジナルの33mmという小ぶりなサイズ感を忠実に再現しています。これは、ヴィンテージミリタリーウォッチの「本物」のサイズ感を重視するファンにとっては非常に重要なポイントです。
「オリジナルメーカーの正当性」と「自動巻き」を求めるならブローバ、「忠実なサイズ感」と「クォーツの実用性・価格」を求めるならM.R.M.W.、という選択になるでしょう。
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」の実用性
ビジネスシーンに利用できるか
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」のビジネスシーンでの活用は、A-11などと比べると「やや難易度が高い」と言わざるを得ません。
その理由は、デザインの特殊性にあります。上下に配置された2つのリューズと、文字盤内の複雑な目盛り(回転盤)は、一般的な時計とは明らかに異なる「計器」や「道具」としての印象を強く与えます。
33mmというケースサイズ自体は小ぶりで、スーツの袖口に収まるため物理的な問題はありません。しかし、付属のオリーブ色の布ストラップも相まって、そのミリタリーテイストは非常に色濃く出ます。
堅い業種、例えば金融や公務、重要な商談の場では、不適切と見なされる可能性が高いでしょう。
ただし、IT系、クリエイティブ系、アパレルなど、服装の自由度が高い職場であれば、その個性的なデザインがかえって「こだわりのあるアイテム」として好意的に受け取られる可能性もあります。もしビジネスシーンで使うのであれば、ストラップを黒やダークブラウンのシンプルなレザーストラップ(16mm幅)に交換し、少しでもカジュアル感を抑える工夫が必要でしょう。
長く利用するためのコツやメンテナンス方法
この時計は日本製のクォーツムーブメントを搭載しているため、機械式時計のような数年ごとのオーバーホール(分解清掃)は基本的に不要です。これがA-15を実用する上での最大のメリットの一つです。
最も重要なメンテナンスは、定期的な「電池交換」です。電池が切れたまま長期間放置すると、電池内部の液体が漏れ出し(液漏れ)、ムーブメント自体を損傷させてしまう可能性があります。時計が止まったら、早めに時計専門店で電池交換を行いましょう。その際、防水性能を維持するために、裏蓋のパッキンも同時に点検・交換してもらうことをお勧めします。
防水性能は5気圧(日常生活防水)です。これは、雨や手洗いでの水しぶきには耐えられますが、時計をつけたまま水泳をしたり、シャワーを浴びたりすることはできません。特に上下のリューズ部分は、機械式時計のねじ込み式リューズとは異なり、防水上の弱点となり得ます。水濡れには十分注意が必要です。
風防はドーム型ミネラルガラスですので、サファイアクリスタルに比べて傷が付きやすい点も留意しておきましょう。
オススメの購入方法と安く購入する方法
「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」は、M.R.M.W.ブランドを展開する「モントルロロイ」の公式オンラインストア、または正規取扱店での購入が最も安全で確実です。
正規店での購入であれば、メーカーの1年保証が適用されるため、万が一の初期不良や、この時計の肝である回転盤の操作などに不具合があった場合も安心です。
検索結果によると、楽天市場やYahoo!ショッピングに出店している「一光堂」「加坪屋」「正美堂時計店」「ななぷれ」といった、実績のある時計専門オンラインショップでも取り扱いがあるようです。
安く購入する方法としては、これらの大手ECモール(楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)が実施する「お買い物マラソン」や「ポイントアップキャンペーン」のタイミングを狙うのが最も現実的です。これらのキャンペーンを活用することで、定価で購入するよりも多くのポイント還元を受け、実質的な価格を下げることが可能です。
A-15は非常に特殊なモデルであり、中古市場に出回ることは稀です。また、クォーツとはいえ複雑な機構を持つため、中古での購入は状態の把握が難しく、あまりお勧めできません。保証の付いた新品を正規ルートで購入するのが最善の策と言えます。
まとめ|「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」徹底レビュー
今回レビューした「M.R.M.W. TYPE A-15 Elaspsed Time watch」は、ミリタリーウォッチの中でも特にマニアックで、深い歴史的ロマンを持つ「幻のモデル」を見事に復刻した一本でした。
A-11の「次」を目指した米陸軍航空軍の要求仕様に応えるべく考案された、上下のリューズで操作する「回転式リムアキュムレーター」という唯一無二の機能。そして、あえてオリジナルの33mmという小ぶりなサイズ感を忠実に再現した姿勢に、M.R.M.W.のミリタリーウォッチへの深い敬意を感じます。
クォーツムーブメントの採用は、この複雑な機構を持つ時計を、現代の我々が日常的に、かつ手頃な価格で楽しむための最良の選択と言えるでしょう。「計器」としての魅力に溢れた、ミリタリー好きのコレクションに加えるにふさわしい、非常に個性的な時計です。
- メリット
-
幻のA-15のユニークな機能(回転盤)とデザインを、クォーツの実用性と共に手頃な価格で楽しめる点
- WW2米軍の「幻のA-15」という、非常にマニアックな歴史的背景
- 上下のリューズで操作する「経過時間計測」という唯一無二の機能
- 33mmの小ぶりなサイズ感とドーム型風防が醸し出す本物のヴィンテージ感
- クォーツムーブメント採用による、高い精度とメンテナンスフリーの実用性
- 複雑な復刻モデルでありながら、比較的手に取りやすい価格設定
- デメリット
-
デザインの特殊性と布ストラップにより、着用できるTPO(特にビジネスシーン)が限られる点
- 防水性が5気圧防水であり、日常生活防水程度である点
- 特徴的なダブルリューズのデザインが、人によっては好みが分かれる可能性
- ベルト幅が16mmと特殊なため、交換用ストラップの選択肢が限られる




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