「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」アメリカ陸軍航空隊24時間時計モデルの復刻版を徹底レビュー

当ブログでは、数々の軍用時計を紹介してきましたが、中には一際マニアックなオーラを放つモデルが存在します。
第二次世界大戦で「A-11」がその礎を築いた後、1950年代の朝鮮戦争では、より視認性と信頼性を高めた「A-17」規格が登場します。その中で、さらに特殊な「24時間表示」と「昼夜識別」という機能に特化したモデルが「TYPE A-17a Night & Day」です。
最大の特徴は、時針が24時間で一周する「24時間表示」機能と、それを視覚的にサポートする白黒の文字盤。
今回は、日本のブランドM.R.M.W.が復刻したこのユニークな一本「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」について、ミリタリーな背景や、特徴的な白黒のダイヤルのデザインや機能性、実用性を徹底レビューします。
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」の概要
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」は、日本のモントルロロイが展開するヴィンテージミリタリーウォッチブランド「M.R.M.W.」が手掛ける腕時計です。
そのルーツは、1950年代の朝鮮戦争期に、A-11の後継として米陸軍航空軍(USAAF)などに採用されたパイロットウォッチ規格「A-17」にあります。
M.R.M.W.の本モデルは、A-17の系譜を継ぎつつ、最大の特徴として「24時間表示」ムーブメントと、昼(白)と夜(黒)を視覚的に示す「Night & Day」ダイヤルを採用しています。これは、昼夜の区別が困難な特殊環境(極地や潜水艦など)での任務を想定したミリタリー仕様の一つです。小ぶりなケースに、歴史と特殊機能が凝縮された一本です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 中(ステンレススチールケース) |
| 防水性 | 5気圧防水(日常生活防水) |
| 耐磁性 | 不明 |
| 視認性 | 特徴的(24時間表示、昼夜識別ダイヤル) |
| 操作性 | 標準的(クォーツ) |
| ムーブメント | スイス製クォーツムーブメント(24時間時計) |
| 動力の持ち時間 | 電池寿命 約2年 |
| 素材(ケース・裏蓋) | ステンレススチール |
| 素材(風防) | ドーム型ミネラルガラス |
| ケース径 | 約32mm |
| ケース厚 | 約12mm |
| 重量 | 約47g |
| ベルトの種類 | 布製ストラップ (16mm) |
- アメリカ陸軍航空隊に採用されたモデルの復刻
- 「24時間表示」ムーブメント
- こぶりなケースにヴィンテージ感を高めるドーム型ミネラルガラス風防
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」の腕時計を採用する政府機関や部隊
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」は、歴史的な軍用時計の仕様をベースにした「復刻・アレンジモデル」です。そのため、M.R.M.W.製のこのモデルそのものが、現代の軍や政府機関に制式採用されているわけではありません。
しかし、この時計の原型である「TYPE A-17」規格は、1950年代初頭から朝鮮戦争期にかけて、アメリカ軍(特に陸軍航空軍、後の空軍)でパイロットやナビゲーター用のナビゲーションウォッチとして制式採用されました。当時の製造は、Waltham(ウォルサム)やElgin(エルジン)、Bulova(ブローバ)といったアメリカのメーカーが担いました。
本モデルの「Night & Day」デザインは、同時期に、例えば潜水艦乗組員用など、特殊な環境下で求められた「24時間表示」の機能性を視覚化したものと言えます。
実戦で使用されたエピソード
M.R.M.W.のこのモデル自体に実戦エピソードはありませんが、ベースとなった「A-17」規格の時計は、朝鮮戦争の空で実戦投入されました。
A-11からの進化点である「24時間表記の併記」「大型リューズ(グローブ着用時も操作しやすいため)」「ハック機能」は、F-86セイバーやB-29爆撃機のパイロットたちに、より正確な時刻管理と作戦行動の同期をもたらしました。
夜間飛行や長距離爆撃ミッションにおいて、A-17が提供する信頼性の高い時間は、兵士たちの命綱の一つでした。本モデルが搭載する「24時間表示」機能もまた、昼夜を問わず続く作戦行動の中で、時刻の誤認(午前と午後の混同)を防ぐために考案された、実戦生まれの機能と言えます。
生産国とその歴史的背景
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」は、日本の株式会社モントルロロイによって企画・デザインされています。
M.R.M.W. (Montre Roroi Military Watch) は、1893年(明治26年)創立の「村松時計製作所」をルーツに持つ、日本の時計業界で非常に長い歴史を持つ会社が展開するブランドです。
このモデルは、アメリカ軍の「A-17」規格という歴史的遺産(ミリタリーヘリテージ)をベースに、M.R.M.W.が「24時間時計」と「Night & Dayデザイン」という、ミリタリーの文脈に存在する別の要素を組み合わせて再構築した、意欲的なモデルと言えます。日本の企画力と品質管理のもと、アメリカの軍用時計の歴史に新たな解釈を加えた一本です。
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」の特徴と機能
M.R.M.W.は、A-17a Night & Day以外にも、歴史的背景の異なる様々なミリタリーウォッチを復刻しています。
- TYPE A-11 Black 12H(米陸軍航空隊パイロットウォッチ)
- TYPE A-11 24H(24時間時計、ブラック文字盤)
- TYPE A-15 Elaspsed Time watch(WW2米軍試作モデル復刻)
- TYPE A-17a Night & Day (24時間時計、本記事対象)
- TYPE A-17 Vintage watch(米陸軍航空隊パイロットウォッチ)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 中(ステンレススチールケース) |
| 防水性 | 5気圧防水(日常生活防水) |
| 耐磁性 | 不明 |
| 視認性 | 特徴的(24時間表示、昼夜識別ダイヤル) |
| 操作性 | 標準的(クォーツ) |
| ムーブメント | スイス製クォーツムーブメント(24時間時計) |
| 動力の持ち時間 | 電池寿命 約2年 |
| 素材(ケース・裏蓋) | ステンレススチール |
| 素材(風防) | ドーム型ミネラルガラス |
| ケース径 | 約32mm |
| ケース厚 | 約12mm |
| 重量 | 約47g |
| ベルトの種類 | 布製ストラップ (16mm) |
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」は、A-17規格の系譜にありながら、その中でも特に特殊な「24時間表示」に特化したモデルです。
最大の特徴は、文字盤の上半分(18時から6時)を黒、下半分(6時から18時)を白に塗り分けた「Night & Day」デザイン。これにより、時針が24時間で一周する特殊なムーブメントの「午前・午後」を直感的に把握できます。
- 1950年代のA-17規格をルーツに持つデザイン
- 昼夜を視覚的に示す「Night & Day」ダイヤル
- 時針が24時間で一周する「24時間時計」ムーブメント(クォーツ)
- オリジナルを尊重した約32mmの小ぶりなケース
- ヴィンテージ感を高めるドーム型ミネラルガラス風防
唯一無二の「Night & Day」ダイヤル
この時計のアイデンティティは、その文字盤デザインに集約されています。文字盤の右半分(0時から12時まで)は白く塗られ「DAY(昼間)」を、左半分(12時から24時まで)は黒く塗られ「NIGHT(夜間)」を示しています。
これは、時針が24時間かけて文字盤を一周する「24時間時計」の特性と深く結びついています。通常の12時間時計に慣れた我々は、時計の針が「7時」を指していても、それが朝なのか夜なのかを太陽や体感で判断しています。しかし、潜水艦の中や、一日中太陽が沈まない(あるいは昇らない)極地では、その判断ができません。
このダイヤルは、針が白いセクターにあれば「昼間」、黒いセクターにあれば「夜間」と、一目で判断できる機能的なデザインなのです。
マニアックな「24時間時計」ムーブメント
前述の通り、この時計の心臓部にはスイス製RONDA社クォーツ・ムーヴメントが搭載されていますが、それは一般的な12時間時計ではありません。「時針」が1日に2周するのではなく、1日に1周だけする「24時間時計」仕様となっています。
文字盤のインデックスも、当然ながら「1」から「24」まで(外周の12時間表記とは別に)振られています。
この仕様は、時刻の「午前・午後」を混同すると致命的なエラーにつながる軍事作戦や、航法計算において非常に重要でした。24時間表記(例:14:00時)をそのまま読み取れるため、誤認を防ぐことができます。このマニアックな仕様こそ、ミリタリー好きの心をくすぐる最大のポイントです。
A-17の系譜を受け継ぐ小ぶりなケース
この特殊な文字盤とムーブメントを搭載しながらも、ケース径は約32mmと、オリジナルのA-17規格(やA-11)に近い非常に小ぶりなサイズを維持しています。
現代の時計としては極めてコンパクトですが、これが当時の軍用時計のリアルなサイズ感です。グローブや装備に干渉せず、任務の邪魔にならないという「道具」としての実用性を最優先した結果です。
また、風防にはドーム型のミネラルガラスを採用。ヴィンテージウォッチ特有の、ふっくらとした温かみのある表情を再現しており、この小さな時計の個性を一層引き立てています。
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」と他モデルの腕時計との比較
同一ブランド(M.R.M.W.)の他モデルとの比較
M.R.M.W.ブランド内で比較すると、「A-17a Night & Day」の立ち位置は非常に明確です。
まず、ブランドの基本形とも言える「TYPE A-11」は、第二次世界大戦の米軍規格であり、ムーブメントは自動巻き(またはクォーツ)、表示はクラシックな12時間です。これは「ミリタリーウォッチの原点」を求める人に向いています。

次に、「TYPE A-15」は、A-11と同じWW2期にテストされた「経過時間計測」という特殊機能を持つモデルです。上下のリューズで回転盤を操作するというギミックが特徴の、クォーツモデルです。
それに対し、この「A-17a Night & Day」は、時代が下った1950年代(朝鮮戦争期)の「A-17」規格をベースにしています。そして、A-11ともA-15とも異なる「24時間表示」と「昼夜識別」という、別のベクトルでの特殊機能を搭載しています。

A-11が「基本の3針」、A-15が「経過時間(クロノグラフの原型)」、そしてA-17aが「24時間(GMTや特殊環境用)」と、それぞれ異なる軍事的な要求に応えたモデルがラインナップされていると言えます。A-17aは、その中でも最も視覚的にユニークで、時刻の読み方自体が異なる、マニアックな選択肢と言えるでしょう。
他社の類似モデルとの比較
「A-17」規格の復刻モデルは、ハミルトン(カーキ フィールド)やブローバなど、他のブランドも手掛けています。しかし、それらの多くは「12時間表記と24時間表記を併記」した、オーソドックスな12時間時計(時針が1日に2周する)です。
M.R.M.W.の「A-17a Night & Day」のように、「時針が24時間で一周する」ムーブメントを搭載し、さらに「白黒のNight & Dayダイヤル」を採用しているモデルは、極めて稀です。
比較対象としては、むしろロシアの「Raketa(ラケタ)」などが製造する「24時間時計(極地探検隊モデルなど)」や、一部のGMTウォッチ(24時間針を持つもの)が近いかもしれません。
しかし、A-17というアメリカ軍規格の系譜にありながら、この24時間表示とNight & Dayデザインを、32mmの小ぶりなヴィンテージケースに詰め込んだという点で、M.R.M.W.のこのモデルは他に類を見ないユニークな存在となっています。
「A-17の復刻」を求める人にとっては変化球かもしれませんが、「マニアックなミリタリー機能」を求める人にとっては、これ以上ないほど魅力的な選択肢となるでしょう。
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」の実用性
ビジネスシーンに利用できるか
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」をビジネスシーンで利用するのは、正直なところ「非常に難易度が高い」と言えます。
その理由は二つあります。第一に、一目でそれと分かる白黒の「Night & Day」ダイヤルは、極めて個性的であり、カジュアルかつミリタリー色が非常に強いです。堅い商談や会議の場では、まず間違いなく浮いてしまうでしょう。
第二に、付属するオリーブ色の布ストラップも、そのミリタリーテイストを加速させます。
ケース径32mmという小ぶりなサイズは、スーツの袖口に収まるという点では優れています。しかし、デザインのインパクトがそれを上回ります。
IT系やクリエイティブ系など、服装の自由度が非常に高い職場において、個性を表現するアイテムとして割り切って使うか、あるいはオフの日専用の時計と考えるのが賢明です。
長く利用するためのコツやメンテナンス方法
このモデルは日本製のクォーツムーブメントを搭載しているため、機械式時計に比べてメンテナンスは非常に容易です。
基本的には、数年に一度の「電池交換」のみです。ただし、電池が切れた状態で長期間放置すると、液漏れを起こしてムーブメントを壊してしまう危険があります。時計が止まったら、なるべく早めに時計専門店で電池交換を依頼してください。
その際、防水性能(5気圧)を維持するために、裏蓋のパッキンの状態もチェックしてもらい、必要であれば交換するのがベストです。
5気圧防水は「日常生活防水」レベルです。手洗いや雨での水しぶき程度は問題ありませんが、時計をつけたままシャワーを浴びたり、水泳をしたりすることは絶対に避けてください。
風防はドーム型のミネラルガラスですので、落下や強い衝撃、硬いものとの擦れによる傷には注意が必要です。
オススメの購入方法と安く購入する方法
「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」は、その特殊性から、一般的な時計店で広く扱われているモデルではありません。購入は、M.R.M.W.ブランドを展開する「モントルロロイ」の公式オンラインストアや、同ブランドを正規に取り扱う、ミリタリーウォッチやヴィンテージウォッチに強いセレクトショップ、オンラインショップを利用するのが基本となります。
正規取扱店で購入する最大のメリットは、メーカーの1年保証が受けられることです。このユニークな時計を安心して手に入れるためには、正規ルートでの購入を強く推奨します。
楽天市場やYahoo!ショッピングに出店している「加坪屋」「正美堂時計店」「一光堂」といった実績のあるオンラインショップで取り扱いがあります。
安く購入する方法としては、これらの大手ECモール(楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)が実施するポイントアップキャンペーンやセールのタイミングを狙うのが最も現実的です。これらの機会を利用すれば、実質的な負担額を軽減することが可能です。
このモデルは非常にマニアックであるため、中古市場に出回ることは稀だと予想されます。
まとめ|「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」徹底レビュー
今回レビューした「M.R.M.W. TYPE A-17a Night & Day」は、数あるミリタリーウォッチ復刻モデルの中でも、ひときわ異彩を放つ、非常にマニアックで魅力的な一本でした。
1950年代の「A-17」規格という歴史的背景を持ちながら、そこに「24時間時計」と「Night & Dayダイヤル」という、別のミリタリー要素を大胆に組み込んだM.R.M.W.の企画力に感服します。
白黒の文字盤は、単なるデザインではなく、昼夜の区別が困難な特殊環境で任務を遂行するための「機能」の表れです。この時計の時刻の読み方(時針が24時間で一周する)に慣れるプロセスすら、この「計器」を使いこなす楽しみの一つと言えるでしょう。
クォーツムーブメントを採用したことで、この特殊な機能を気軽に、かつ手頃な価格で楽しめるようにした点も高く評価できます。
- メリット
-
A-17の系譜と「24時間表示・昼夜識別」という、非常にマニアックなミリタリー機能を同時に楽しめる唯一無二のデザイン
- 朝鮮戦争期の「A-17」規格という、ミリタリー好きの心をくすぐる歴史的背景
- 白黒の「Night & Day」ダイヤルという、視覚的インパクトと機能性の両立
- 時針が24時間で一周する、マニアックな「24時間時計」仕様
- クォーツムーブメントによる高い精度とメンテナンスの容易さ
- 32mmの小ぶりなケースが醸し出す、本物のヴィンテージ感
- デメリット
-
デザインと機能が特殊すぎるため、時刻の読みに慣れが必要であり、着用シーン(特にビジネス)を強く選ぶ点
- 24時間表示に慣れるまで、時刻の読み取りに戸惑う可能性がある
- 5気圧防水であり、タフな環境での使用にはやや不安が残る
- デザインが個性的すぎて、ビジネスシーンでの使用はほぼ不可能
- ベルト幅が16mmと特殊で、交換用ストラップの選択肢が少ない



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