「本物の道具」だけが持つ機能美は、ミリタリーウォッチの大きな魅力です。今回取り上げるのは、シチズンの本格スポーツウォッチライン「プロマスター」から登場した、航空自衛隊「ブルーインパルス」の創設65周年を記念する限定モデル、「プロマスター SKY CA4665-59L」です。
ブルーインパルスといえば、精確無比な編隊飛行で知られる空のスペシャリスト集団。その公式エンブレムを配したこのモデルは、単なるコラボレーションモデルではなく、プロフェッショナルのためのツールウォッチ「プロマスター」の血統を受け継ぐ、まさに空のミリタリースペックを体現したパイロットウォッチと言えるでしょう。
この記事では、そのデザインのミリタリー要素から、過酷な使用に耐えうる機能性まで、詳しくレビューしていきます。
「シチズン プロマスター CA4665-59L」の概要
「シチズン プロマスター CA4665-59L」は、シチズンの本格スポーツウォッチ「プロマスター」のSKYシリーズに属するクロノグラフモデルです。最大の特徴は、2025年に創設65周年を迎える航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の記念限定モデル(第6弾)であることです。
ブルーインパルスの機体を思わせるブルーとシルバーの配色、文字板と裏ぶたに配された公式エンブレムが、ミリタリーファンや航空ファンにとって特別な所有感を満たします。光発電エコドライブ、20気圧防水、サファイアガラス風防など、プロマスターの名に恥じない高い堅牢性と実用性を備えたパイロットウォッチです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 高い:ステンレスケース、20気圧防水、耐磁1種 |
| 防水性 | 高い:20気圧防水 |
| 耐磁性 | 高い:耐磁1種(JIS1種) |
| 視認性 | 高い (サファイアガラス無反射コーティング、夜光:針+インデックス) |
| 操作性 | 多機能(クロノグラフ、航空計算尺) |
| ムーブメント | B620(エコ・ドライブ) |
| 動力の持ち時間 | 光発電約9ヶ月(フル充電時) |
| 素材(ケース・裏蓋・風防) | ステンレス・ステンレス(推定) サファイアガラス(無反射コーティング) |
| ケース径 | 横 40.0mm |
| ケース厚 | 13.5mm |
| 重量 | 167g |
| ベルトの種類 | ステンレス(三ツ折れプッシュタイプ) |
- 航空自衛隊ブルーインパルス公式限定モデル
- 耐久性、防水性、耐磁性が高い
「シチズン」の腕時計を採用する政府機関や部隊
CA4665-59L自体は、特定の部隊に「制式採用」された官給品ではありません。
しかし、このモデルは航空自衛隊(JASDF)に所属するアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の創設65周年を記念した公式コラボレーションモデルです。
シチズンは過去にもブルーインパルス記念モデルを多数発売しており、自衛隊関係者や航空ファンとの結びつきが非常に強いブランドと言えます。
また、プロマスター LANDシリーズの一部モデル(例:PMD56-2952など)は、その高い耐久性と信頼性から、自衛隊員が私物として愛用しているケースが多いことで知られています。
実戦で使用されたエピソード
ブルーインパルスは戦闘部隊ではなく、広報活動や式典での展示飛行(アクロバット飛行)を任務とする専門チームです。そのため、CA4665-59Lが「実戦で使用される」という類のエピソードはありません。
この時計は、むしろ高度な飛行技術を持つパイロットへの敬意と、航空機の計器をモチーフにした「プロの道具」としての側面を強く持つモデルです。
シチズンの時計が過酷な環境で使用されたエピソードとしては、1983年にオーストラリアのロングリーフビーチでフジツボに覆われた状態で発見された「チャレンジダイバー」が、浸水にもかかわらず動き続けていたという逸話が有名です。
生産国とその歴史的背景
シチズンは、1918年に創業した日本の時計メーカーです(前身は尚工舎時計研究所)。「市民(CITIZEN)に愛される時計を」という理念のもと、常に革新的な技術を追求してきました。
特に有名なのが、光を動力に変える「エコ・ドライブ」技術です。これは電池交換の手間を減らすだけでなく、戦場や僻地など、補給が困難な状況下でも時計を駆動させ続けることができるという点で、ミリタリーユースにおいて非常に高いアドバンテージとなります。
CA4665-59Lの生産国(組み立て地)について、公式サイトでは明記されていませんが(日本または海外のシチズン工場で製造)、日本の高い技術力と品質管理のもとで作られた信頼性の高いモデルであることは間違いありません。
「シチズン プロマスター CA4665-59L」の特徴と機能
「シチズン プロマスター CA4665-59L」は、ミリタリーファン、特に航空ファンに向けた特別な仕様と、プロマスター SKYシリーズとしての確かな実用性を兼ね備えています。
- CA4665-59L(ブルーインパルス限定モデル・ステンレスバンド)
- CA4661-09A(ブルーインパルス限定モデル・革バンド)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 耐久性 | 高い:ステンレスケース、20気圧防水、耐磁1種) |
| 防水性 | 高い:20気圧防水 |
| 耐磁性 | 高い:耐磁1種(JIS1種) |
| 視認性 | 高い (サファイアガラス無反射コーティング、夜光:針+インデックス) |
| 操作性 | 多機能(クロノグラフ、航空計算尺) |
| ムーブメント | B620(エコ・ドライブ) |
| 動力の持ち時間 | 光発電約9ヶ月(フル充電時) |
| 素材(ケース・裏蓋・風防) | ステンレス・ステンレス(推定) サファイアガラス(無反射コーティング) |
| ケース径 | 横 40.0mm |
| ケース厚 | 13.5mm |
| 重量 | 167g |
| ベルトの種類 | ステンレス(三ツ折れプッシュタイプ) |
デザインはブルーインパルスの機体カラーであるブルーとシルバーを基調とし、クロノグラフの秒針やプッシュボタンの一部に差し色としてイエローが使われています。文字板の6時位置と裏ぶたにはブルーインパルスの公式エンブレムが誇らしげに刻印されています。
- 航空自衛隊「ブルーインパルス」創設65周年記念の限定モデル
- 限定数量900本、専用限定BOX付属
- 文字板と裏ぶたにブルーインパルスのエンブレムを配置
- 定期的な電池交換が不要な「光発電エコ・ドライブ」搭載
- プロユースにも耐える20気圧防水
- 傷に強く視認性の高い「サファイアガラス(無反射コーティング)」
- パイロットウォッチの象徴である「航空計算尺」
- 1/5秒クロノグラフ(60分計)、24時間表示、日付表示
- 暗所での視認性を確保する夜光(針+インデックス)
- JIS1種耐磁性能
ブルーインパルスの魂を宿すミリタリーデザイン
このモデル最大の魅力は、やはり「ブルーインパルス」の公式モデルであることです。文字板の6時位置にあるエンブレムは、着用者の士気を高揚させます。また、裏ぶたにもエンブレムが刻印されており、見えない部分へのこだわりも万全です。
デザインは単なるキャラクターウォッチとは一線を画し、プロマスター SKYシリーズの機能的なデザインに、ブルーインパルスの精悍なイメージを落とし込んでいます。ケース径40.0mmというサイズは、近年の大型化するパイロットウォッチの中では比較的コンパクトであり、日本のフィールド(日常使いやビジネスシーン)でも袖口の邪魔になりにくく、実用的です。
過酷な任務を支える堅牢性とエコ・ドライブ
ミリタリーウォッチに不可欠な要素はタフネスです。CA4665-59Lは、プロマスター基準の20気圧防水を備えており、汗や雨はもちろん、水辺でのハードな活動にも対応できます。風防には、ミリタリースペックの時計では定番となりつつあるサファイアガラスを採用。さらに無反射コーティングを施すことで、上空の強い日差しの下でも瞬時に時刻を読み取れる高い視認性を確保しています。
そして動力はシチズン独自の「エコ・ドライブ」。わずかな光でも充電し、一度フル充電すれば光のない場所でも約9ヶ月間動き続けます。補給やメンテナンスが困難な状況を想定するミリタリーユースにおいて、電池切れのリスクを最小限に抑えられるソーラー充電システムは、最強の機能の一つと言えます。
空のプロフェッショナルのための航空計算尺
CA4665-59Lは、パイロットウォッチの伝統的な機能である「航空計算尺」を搭載しています。これはベゼル(回転計算尺)と文字板外周の目盛り(固定計算尺)を組み合わせることで、飛行時間、速度、距離、燃料消費量などの計算や、単位換算(マイル、キロ、海里など)をアナログ的に行うためのツールです。
現代では電子機器に取って代わられていますが、万が一計器が故障した際のアナログ的なバックアップとして、またパイロットウォッチとしてのアイデンティティとして、航空ファンやミリタリーファンにとっては非常に魅力的な機能です。この複雑な計器のような文字板デザインこそが、この時計のミリタリーテイストを決定づけています。
「シチズン プロマスター CA4665-59L」と他モデルの腕時計との比較
「シチズン プロマスター CA4665-59L」は、シチズン プロマスターの中でも特徴的な立ち位置にあります。その実力を知るために、ブランド内の他モデル、そして他社のライバルモデルと比較してみましょう。
同一ブランドの他モデルとの比較
CA4665-59L(SKYシリーズ)を、同じプロマスターの「SKYシリーズ上位モデル」と「LANDシリーズ定番モデル」と比較します。
SKYシリーズ電波時計モデル(例:CB5007-51H)
同じSKYシリーズには、日中米欧の標準電波を受信する電波時計機能、パーペチュアルカレンダー、ワールドタイム機能などを搭載した上位モデル(例:CB5007-51H)が存在します。
CB5007-51Hは、ケース径約45.9mm、重量約191gと、CA4665-59L(40.0mm, 167g)よりもかなり大柄で重厚です。機能面では、電波受信による時刻の自動修正やアラーム、ワールドタイムなど、CB5007-51Hが圧倒的に多機能です。
しかし、CA4665-59Lの魅力は、その「コンパクトさ」と「ブルーインパルス限定」という唯一無二のステータス性です。よりクラシカルなパイロットウォッチのサイズ感を好み、時刻修正を自分で行うことに喜びを感じる(あるいは電波機能は不要と考える)ユーザー、そして何よりブルーインパルスのデザインを求める層にとっては、CA4665-59Lが最適な選択となります。
LANDシリーズ電波時計モデル(例:PMD56-2952)
プロマスター LANDシリーズのPMD56-2952は、自衛隊員にも愛用者が多いとされる、ミリタリーウォッチとしての定番モデルです。

PMD56-2952は、ケース径39.0mm、重量約100gと、CA4665-59Lよりさらに小型・軽量です。これは素材にシチズン独自の「スーパーチタニウム」を採用しているためです。機能面では、国内専用電波受信、パーペチュアルカレンダー、そして耐磁・衝撃検知・針自動補正を統合した「パーフェックス」を搭載し、道具としての信頼性が極めて高いモデルです。
デザインはクロノグラフを持たないシンプルな3針+デイデイトであり、よりフィールドウォッチとしての色合いが濃くなります。
CA4665-59Lは、ステンレス素材の重厚感(167g)と、航空計算尺やクロノグラフを持つ「パイロットウォッチ」としてのデザインを好む層に向けたモデルと言えます。チタンの軽さやパーフェックスの堅牢性を取るか、ステンレスの質感とブルーインパルスのデザインを取るかで選択が分かれるでしょう。
他社の類似モデルとの比較
次に、他社の「ソーラークロノグラフ」という共通点を持つ、ミリタリーテイストのライバルモデルと比較します。
セイコー プロスペックス スピードタイマー(例:SBDL085)
セイコー プロスペックスのSBDL085は、1969年のヘリテージモデルにインスパイアされたソーラークロノグラフです。
ケース径は39.0mm、重量161.0gと、CA4665-59L(40.0mm, 167g)とほぼ同等のサイズ感・重量感です。風防も同じくサファイアガラス(内面無反射コーティング)を採用しており、質感は非常に近いです。
両者の決定的な違いは、まず「機能」です。CA4665-59Lが「航空計算尺」を搭載するパイロットウォッチであるのに対し、SBDL085は「タキメーター」を搭載するレーシングクロノグラフ(またはクラシッククロノグラフ)です。
次に「防水性」。CA4665-59Lが20気圧防水であるのに対し、SBDL085は10気圧防水です。よりハードな水辺での使用を想定するならCA4665-59Lに分があります。
そして「背景」。CA4665-59Lは「航空自衛隊ブルーインパルス」という明確なミリタリー(航空)の背景を持つ限定モデルです。一方、SBDL085は「スピードタイマー」というセイコーのクロノグラフ史を背負う定番モデル(特にSBDL085はパンダダイヤルとして人気)です。
どちらも日本製ソーラークロノグラフの傑作ですが、ミリタリー要素、特に航空ロマンを求めるならば、CA4665-59Lがより専門性の高い選択と言えるでしょう。
「シチズン プロマスター CA4665-59L」の実用性
ミリタリーウォッチはコレクションであると同時に、日々の使用に耐える「道具」でなければなりません。「シチズン プロマスター CA4665-59L」の実用性を検証します。
ビジネスシーンに利用できるか
結論から言えば、CA4665-59Lは「ビジネスシーンでも利用可能だが、TPOを選ぶ」時計です。
ステンレス製のブレスレットと、ブルーを基調とした比較的落ち着いたカラーリングは、ジャケパンスタイルやビジネスカジュアル(オフィスカジュアル)には問題なくマッチします。ケース径40.0mmというサイズ感も、現代のビジネスウォッチとして許容範囲内です。
しかし、懸念点が2つあります。1つ目は、航空計算尺による文字板の「情報量の多さ」です。これは計器的な魅力である反面、フォーマルな場ではやや主張が強く映る可能性があります。2つ目は「ブルーインパルス」のエンブレムです。これが許容されるかは、職場の雰囲気や商談相手によります。
堅い業種での重要な会議や、冠婚葬祭などのフォーマルな場では着用を避けるのが賢明です。一方で、IT系やクリエイティブ系の職場、あるいは内勤がメインであれば、適度な個性を主張するアイテムとして活躍するでしょう。
長く利用するためのコツやメンテナンス方法
CA4665-59Lはエコ・ドライブ搭載のクォーツ時計であり、機械式時計のような頻繁なオーバーホールは必要ありませんが、長く愛用するためにはいくつかのコツがあります。
まず、動力源である「光」です。エコ・ドライブは光で充電されますが、二次電池(充電池)にも寿命があります(一般的に10年~12年程度と言われます)。この寿命を最大限に延ばすコツは、「完全放電(時計が止まること)」と「過充電(高温になる場所での常時充電)」を避けることです。
使わない時でも、真っ暗な引き出しに長期間しまい込まず、室内の明るい場所(ただし直射日光が当たり続ける窓際などは避ける)に置いておくのが理想です。
また、20気圧防水とはいえ、リューズがロックされていない状態での水濡れは厳禁です。海などで使用した後は、真水で塩分を洗い流し、柔らかい布で水分を拭き取ってください。
潤滑油の劣化やパッキンの硬化を防ぐため、クォーツ時計であっても8年~10年に一度はメーカーでのオーバーホール(分解掃除)を検討することをおすすめします。
オススメの購入方法と安く購入する方法
「シチズン プロマスター CA4665-59L」は、限定900本の「限定モデル」です。そのため、安く購入することよりも「確実に入手すること」を最優先に考えるべきモデルです。
発売日(2025年11月1日)以降、人気が出た場合は早期に完売し、プレミア価格で取引される可能性もあります。
オススメの購入方法は、シチズンの正規取扱店(百貨店、時計専門店)や、公式オンラインストア、または信頼できる大手ECサイト(ヨドバシカメラ、ビックカメラ、Amazonなど)での予約または早めの購入です。
まとめ|「シチズン プロマスター CA4665-59L」徹底レビュー
シチズン プロマスター CA4665-59Lは、航空自衛隊「ブルーインパルス」の創設65周年を祝うにふさわしい、特別なミリタリーテイストを持つパイロットウォッチです。
プロマスターSKYシリーズとしての堅牢な基本性能(20気圧防水、サファイアガラス、エコ・ドライブ)と、航空計算尺を備えた計器的なデザイン、そして何よりブルーインパルスの公式エンブレムが、所有者の満足感を高めます。
ケース径40.0mmという絶妙なサイズ感は、日常使いからビジネスカジュアルまで対応できる汎用性も備えています。限定900本という希少性も含め、ミリタリーファン、航空ファンならば手に入れて後悔のないパイロットウォッチです。
- メリット
-
ブルーインパルスの公式エンブレムを持つ、高いステータス性とミリタリー要素
- 航空自衛隊ブルーインパルスの公式エンブレム入り限定モデル(限定900本)
- 20気圧防水とサファイアガラス(無反射)による高い堅牢性と視認性
- 電池交換不要の「エコ・ドライブ」による運用の容易さ
- パイロットウォッチの象徴「航空計算尺」を搭載
- ケース径40.0mmで、日本人の腕にも馴染みやすいサイズ感
- デメリット
-
限定モデルのため入手が困難になる可能性があり、機能面では電波時計モデルに劣る
- 限定モデルのため、完売後は入手が困難、または価格が高騰する可能性がある
- 電波受信機能やパーペチュアルカレンダーは搭載されていない
- ステンレス製で167gあり、チタンモデルと比べると重さを感じる





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