作品名
空母いぶき
作者
かわぐちかいじ
連載誌
ビッグコミック
連載日
2014年-
出版社
小学館

空母いぶきのあらすじ

2017年現在、最も熱いミリタリー漫画が、かわぐちかいじの「空母いぶき」。各方面専門家からも評価の高い一押しの漫画です。
※ややネタバレ要素を含みます

大まかなストーリーは、
自衛隊初の空母となる、航空機搭載型護衛艦「いぶき」が竣工した数年後、中国軍が日本へ侵攻を開始、先進諸島の制圧を許す。それに対し日本政府は自衛隊に海上警備行動の発令に続き、自衛隊史上初の防衛出動を命令、中国人民解放軍との武力衝突に発展する。

北朝鮮、中国情勢が緊迫する現在の社会情勢を踏まえた、リアリティーに富みすぎているというか、ぶっ込みすぎている設定、空母いぶきを軸にした現代兵器による艦隊戦、航空戦がリアルに描かれています。

自衛隊VS中国軍、戦ったらどっちが強いのかといった比較やシミュレーションがよくされますが、この「空母いぶき」は尖閣諸島をめぐる自衛隊VS中国軍のシミュレーションの1つとしてもとても興味深い内容です。(あくまで設定は架空なのでエンターテイメントですが)

空母いぶきのミリタリー的見どころ

ミリタリー要素満載の空母いぶきの見どころをいくつか紹介します。ネタバレ要素は少しだけあります。

米軍に頼らない自衛隊が大活躍

空母いぶきの見どころは、なんといっても自衛隊が大活躍するところ。7巻時点でも米軍は顔を出しません。

実際に存在する自衛隊の護衛艦や戦闘機、最新のそうりゅう型AIP潜水艦も登場。また、まだ現実の自衛隊には配備されていない空母や最新のF-35ステルス戦闘機なども登場します。もちろん登場するだけでなく戦闘シーンもリアルに描かれています。

陸上自衛隊も大活躍

これまでのかわぐちかいじ作品だと、舞台が海上で主役が艦船のことが多く陸上自衛隊の出番がありませんでしたが、この空母いぶきでは陸上自衛隊が大活躍します。
第一空挺団や特殊作戦群、水陸機動団が連携した島嶼奪還作戦など、最新の陸上自衛隊の兵器や部隊も満載、自衛隊好きにはたまらない興奮するシーンが盛りだくさんの漫画です。

政治家が熱い

やはりというか、かわぐちかいじの描く政治家が熱い、カッコいい。こんな機転、決断力に富んだ総理大臣ならいいなという理想を痛快に描いています。
総理大臣以外も優秀な官僚や自衛隊上層部の人々、それを取材する記者やジャーナリストなどが登場し、それぞれの人間ドラマもこの作品の魅力の1つです。

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空母いぶきに登場する兵器

空母いぶきに登場する兵器、ミリタリー要素をいくつか紹介します。

設定年代 2016年〜
舞台 日本
カテゴリー ミリタリー
登場兵器 銃器:
9mm拳銃 89式小銃
航空機:
F-35 RF-4E C-2輸送機 E-767早期警戒管制機 SH-60K V-22オスプレイ
艦船:
航空機搭載型護衛艦(空母) イージスミサイル護衛艦 そうりゅう型AIP潜水艦
登場部隊 自衛隊 特殊作戦群 水陸機動団 第一空挺団
人民解放軍

いずも型護衛艦

本作の空母いぶきではありませんが、実在する自衛隊が運用する最大のヘリコプター搭載護衛艦。世界一般的にはヘリ空母と呼ばれます。ちなみに漫画の「空母いぶき」にも登場します。

全長248mと都庁よりも大きい巨艦で、太平洋戦争期の正規空母の雲龍型航空母艦や蒼龍よりサイズも排水量も規模の大きい護衛艦となります。ただし、戦闘機が発着艦する設備・能力は有しておらずあくまで、ヘリコプターの運用を前提としています。

「空母いぶき」はこのいずも型護衛艦に艦載機発艦用のスキージャンプを備える改造を施したもの、という設定です。そのため艦の兵装はいずもと同じ。ただ実際には、甲板の強度上そのような改造は不可能とされています。

いずも型護衛艦 諸元

基準排水量 19,500トン
全長 248m
速力 30ノット
乗員 520名
兵装 高性能20mm機関砲(CIWS ファランクス) × 2機
近SAM × 2機
艦載機 最大14機
その他 一番艦:いずも
二番艦:かが

F-35 ライトニング

ロッキード・マーティン社が開発する第5世代ジェット戦闘機。ステルス性能を高めた多用途ステルス戦闘機。

F-35には3つの派生型があります。
F-35A:基本型の通常離着陸
F-35B:垂直離着陸機(STOVL)
F-35C:艦載機

作中には、垂直離着陸型のF-35JBが艦載機として空母いぶきに配備されています。現実の自衛隊には、通常タイプのF-35Aが配備される予定。

C-2輸送機

C-2輸送機は、C-1輸送機の後継機として2016年に正式採用された、双発の大型戦術輸送機。川崎重工業が開発製造する国産機。(エンジン以外)C-1輸送機より搭載量、航続距離、最大速度が大幅に改善された機体。機動戦闘車を空輸可能となります。

作中では、島嶼奪還作戦で救援部隊と救援物資・支援車両の投下作戦中に中国軍に撃墜されてしまいます。兵員と物資、パイロットは全員脱出し上陸部隊との合流に成功。

最大搭載量 32トン
最大速度 917km/h
最大航続距離 9,800km
最短離陸距離 500m

特殊作戦群

自衛隊唯一の特殊部隊、アメリカのグリンベレーやデルタフォースを手本に発足し、隊員数は約300人と言われています。部隊は防衛大臣直轄の機動運用部隊である中央即応集団に属します。

作中では、島嶼奪還作戦の先遣部隊として上陸し中国軍の陣地偵察、住民の軟禁場所の特定など危険な偵察任務を行い、中国軍と熾烈な攻防戦を繰り広げます。

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